Button Material

Traditional

ウッドやヴェジタブルアイヴォリーのボタン
ボーンやホーン/皮革のボタンなど

歴史的にボタンの発生と共に使用されたのではと考えられるのは、木の実や動物の骨といった天然素材のボタンである。

ボタンはゆったりと布をまとう暖かい地域では発生せず、より寒冷でかつ行動的な衣裳文化の地域で普及していったと考えられる。古代地中海地方ではフィビアというブローチのような留め具が広く用いられた。古代ゲルマン社会は古くから男性のズボンが存在した戦士の社会であり、ボタンが普及した。しかしこれがそのまま現代の私達の被服ボタンに結びついているのではなく、近代ヨーロッパの衣裳文化の歴史の中から現代被服のボタンは展開してきたのである。

ウッドボタンは、シンプルな原型ボタンから具象的なペイントが施されたもの、ウッドビーズを使用した凝ったものまで様々ある。また、戦時に金属の不足する時期には、欧米や日本でもウッドやナッツ、バンブーやストロー、ラフィア、コルクやセラミックといった素材が多用された。

1800年代の後半から、1920〜30年代にかけて使用された、ベジタブルアイヴォリーは、タグアナッツと言うヤシの実を研磨加工したもので、corozzoコロッゾとも呼ばれる。欧米でも特に紳士服用としてかなり大量に使用されたが、種々のプラスティックの開発をうけその製造や使用期間は限られたものであった。日本でも戦前の南洋諸島からの原料供給をうけて、高い加工技術を誇りかなりの生産量もあった。渋いながらもナチュラルでノスタルジックな味わいのあるボタンであり、現代においてエコロジーの観点から再び脚光を浴びるようになっているのも興味深い。

動物素材のボタンには、紳士服ボタンのクラシックである水牛のボタンや、アルプスやチロル地方の鹿(アントラー)のホーンのボタンなどがある。1800年代にはこれらの原料を一旦粉末状に砕いた後に固めて文様などを型押プレスしで浮き出すといった技術も発明された。

数量的に多いものではないが、珊瑚や鼈甲、琥珀といった貴重素材のボタンもあり、又皮革のボタンも特に狩猟やスポーツ服のアクセントである。特殊なものでは石やゴムや紙製のボタンも存在している。

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