Button Material

Traditional

シェルのボタン

シェルのボタンは、歴史的にもまたその人気からもボタンのクイーンと呼ばれるにふさわしく、高品質のシェルはいつの時代にあっても高価であり,愛され続けている永遠の素材である。

ヨーロッパ宮廷貴族社会では、肉厚の蝶貝(や象牙や鼈甲など)に彫りやインレイ(象嵌細工)を施し、真珠やカットスティールなどを組み合わせた優雅なボタンは常に賞賛の的であった。

蝶貝(mother of pearl)には、白/黒/茶の種類があり、ヨーロッパでは入手できないものであり輸入に頼っていた。その他にも高瀬貝(trochus)、広瀬貝、夜光貝、あわび、サザエ,淡水性の貝類など、地域によってボタンに使用されるシェルは様々である。ひとくちに貝ボタンといっても国や地域や時代により、その素材や加工のレベルにも微妙な差異がみられる。

戦前日本の貝ボタン職人による緻密で繊細な細工と加工技術は世界屈指であったが、欧米のラフで雑にみえる加工にもまた別の魅力がある。ヨーロッパではシェルを染色する事も多いが、一般的に日本人は余り好まないようである。

現代においては、資源保護といった観点からも素材使いそのものが過去とは異なってきており、過去の時代のような贅沢な素材のボタンを望む事はもはや不可能である。しかし、現代においてはプラスティックなどの異素材との組み合わせなどの新たな可能性もあり、シェルボタンはいつの時代にあっても多様な種類、デザインとサイズを誇るボタンである。

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