Button Material

Plastics

カゼイン=ガラリス(ギリシャ語でミルクの石の意)
ラクトボタンとも呼ばれる

1880年代にドイツでミルクから合成されたカゼインは、セルロイドと同じく半合成プラスティックと呼ぶべき素材である。蛋白質が原料ということもあって、暖かく緻密な質感と加工のしやすさ、発色の良さなどからボタン職人達に愛された素材である。

同じ蛋白質のシルクやウールといった素材との映りもよく、ボタンに必要十分な強度もあり、現代のデザイナーの中にも、少数ながら理想のボタン素材としてこだわって使用している人もいるほどである。

20世紀の初頭以降、北イタリアのミラノからボローニャの間のピアチェンツアを中心とする小都市には、ポー河の水力を利用した小規模なボタン工場がかなり存在していた。パリのオートクチュールから注文をうけ、その当時は下請けとして『フランス製』とされたボタンも多いが、当時の職人の技術と遊び心を感じさせるサンプルボタンが残されている。本物の皮革や麻糸、数多くのメタルパーツと組み合わせたこれらのカゼインボタンは、費用や手間がかかりすぎで、実際には工場の生産ラインにのらないことも多かった。

染料が内部まで浸透せず、カットすると白いミルク色の地が出てくるので、これを利用して、糸目模様のように見せるタイプのボタンがある。こっくりとした色と相まって、イタリア製の皮革のバックや靴の外縫いを思わせる。

具象的なモチーフのボタンも多く存在するが、ポップな子供っぽさはなく、デザインは洗練され落ち着いた雰囲気である。その堅固な質感から染色や仕上げによっては,ベークライトと混同されることもあるが,ヨーロッパでは、アクセサリー材料としてもドイツやフランスを中心に広く使用されたプラスティックである。

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