N.P. Vegetable Ivory

ヴェジタブル・アイヴォリーとは、中南米原産のタグア椰子の実のことであり、果肉が象牙に似ているということから、その安価な実を加工して主に紳士服ボタンとして大量に製造された。Corozoとも呼ばれる。1800年代の後半から、1900年代の前半まで、主にヨーロッパ、アメリカ、日本においても戦前はプラスティックが広まる以前の普及品ボタンとしてかなり広範に使用された。シンプルな加工に簡単な染色を施されたボタンが多いが、かなり凝った職人仕事の施されたボタンもある。この椰子の実のサイズは大きめの鶏卵くらいなので、ボタンのサイズとしてはそれが限度となる。