FB with fiber works 3
注文服の伝統には飽き足らない、しかし、大量生産の既製服の全盛にまでは至らない時期、1940-60年代位にあってには、合成繊維や樹脂という新しい服飾材との関係のなかで、工場生産品ではあるがボタン職人の技も加味したある程度少量生産のボタンが制作された(特にアセチ系樹脂など)。開発されたばかりの新規な樹脂の特性を生かし今まで扱うことのなかったパーツの使用(コーンの粒、貝がら、昆虫など)などもあり、ボタンの造形にも当時のモードの新しい感覚があった。(プラスティック部門のAR樹脂ボタンを参照ください)
又、戦時中の物資不足のなかでは、プアな素材ーウッド・ストロー・ヴェジタブルアイヴォリーなどと糸布は相性も良く、手芸的な工夫もなされた。が、反動もあってか、戦後はプラスティックボタン全盛となり、糸布ボタンは一時期あまり身近ではなくなった。最後の2け、戦時のプア素材。しかし時代は変わりこのような自然素材の扱いが現代では逆に新鮮に映るものであるらしい。