SH Various sales and sample cards
実用ボタンは6ケ12ケ単位で販売され、カードに縫い付けるのは軽工業であるボタン産業においては人手の必要な大変な作業であった。産業革命初期には、かなり劣悪な環境での児童の労働の例としてシェルボタン工場の例が記録されている。現在、フランスのパリから北東の街、Meruで、当時のボタン工場を産業博物館として見学することができる。この地方は交通の便もあり1800年代後半を頂点にtabletterieとして、ドミノやセンスやタバコ入れやコンパクトなどに使用するシェル(やボーン、ヴェジタブルアイヴォリー、ウッドまでの)加工産業一般の中心であった。
また店頭販売用カードには、当時のファションや流行を反映するデザインが施された。その台紙は、イギリス、アメリカ、フランス、イタリアなど国ごとにまた、アールヌーボー、アールデコと時代ごとの変遷をたどることのできるエフェメラでもある。又、販売店用のサンプルカードも数多く残っている。
最後のカードは染色したシェルにループのワイアーピンを通すタイプの実用ボタン。プアな素材、ボーンやヴェジタブルアイヴォリーやセラミックでもこのループ仕様はよく見られる。台紙に縫い付けなくても、糸を通すことで販売可。このタイプには職人のスモック仕事着用、下着や手袋用そしてブーツ・ゲートルなどの靴用などがあり、多数のボタンの着脱用のボタンフック もかなり残されておりコレクションアイテムとなっている。