FB with beads

これらのボタンは20世紀の前半にパリのオートクチュール周辺で使用された、ビーズの手縫いつけのボタンである。フランスの贅沢な宮廷文化の伝統を感じさせる職人仕事であり、20世紀初頭のWorthウォルト/Poiretポワレの周辺からの、いわゆるパリの高級メゾンへの流れへと続く技法とセンスを感じる。

大部分は皮革の裏当てがなされ、かなり高級なドレスに使用されたと思われる。1910年代までは黒が優勢であったが、その後20年代以降は淡いカラー(ベージュから白までのソフトな色合い)も流行し、その後のアール・デコのモードへと大きな変革期を迎えていく。ウッドのビーズなどのカジュアルな素材感には新しさも感じられ50年代位まで使用されていたボタンと考えられる。